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【大人になるにつれて見失ってしまう大切なことが書かれてある本】『星の王子さま』

【大人になるにつれて見失ってしまう大切なことが書かれてある本】『星の王子さま』

皆さんは『星の王子さま』という本を読んだことがありますか?

私は何度も読みました。
私がこの本と出会ったのは中学生の時です。担任の先生がくれました。
でも、当時は中学生であまりこの本の内容を理解できず、でも絵が可愛くて好きな本でした。

この本の意味をちゃんと理解できるようになったのは、高校生の時にミュージカル映画をレンタルビデオで観てからでした。映画は1974年公開のアメリカとイギリス合作映画で、この映画を観て本の内容を理解できるようになり、その後何度も読み返すうちに、この本には大人になっても忘れてはいけないとても大切なことが書かれているということに気づきました。

作者

この本の作者はフランス人のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリという人で、小説家でもあり飛行士でもありました。彼は1935年フランスーベトナム間最短時間飛行記録に挑戦中、機体トラブルでサハラ砂漠に不時着しました。その時の体験がこの『星の王子さま』に反映されています。そして、彼は1944年第二次世界大戦中に出撃したまま消息不明となっていましたが、2003年に彼が乗っていた飛行機が海底から引き上げられ戦死と判明しました。

あらすじ

椅子を動かせば何度でも夕日が見れるような小さな星に住んでいた星の王子さま。その星に一輪の美しい花(バラ)が咲いたので、王子さまは大切に大切に育てました。しかし、バラはプライドが高くて、強がりで、わがままばかり言って王子さまを困らせます。王子さまはバラの言葉を一つ一つまに受けて心が疲れてしまい、星を出てしまいました。

王子さまは住んでいた星を出て、7つの星を訪問します。

1番目は宇宙の全てを支配し、自分以外の人間は全て家来だと思い込んでいる王様がいる星でした。

2番目は他人はみんな自分に感心していると思っている、うぬぼれ男が住んでいる星でした。

3番目は酒を飲むことが恥ずかしくて、恥ずかしいことを忘れたくて酒を飲むという、呑み助が住んでいる星でした。

4番目は5億以上もの星を持ち、更に星を手に入れようと星の数ばかり数えている実業家が住んでいる星でした。

5番目はとても小さな星で街灯と点灯夫がいる星でした。

6番目は大きな星なのに、ただ机に座って何冊もの書物を確認している地理学者が住んでいる星でした。

7番目は地球です。

地球に辿り着き、この本の主人公「ぼく」と出会います。
そして、「ぼく」や「キツネ」と友達になったり、色々な経験をすることで、王子さまは「本当に大切なこと」に気づきます・・・。

キツネとの出会い

王子さまは友達をつくろうと地球をさまよっていました。そんな時にキツネと出会います。キツネは「友達」になる方法を教えてくれます。

そして、キツネと友達になった王子さまは、キツネからある大切なことを教わります。

さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ

あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思っているのはね、
そのバラの花のために、ひまつぶししたからだよ。

人間っていうものは、このたいせつなことを忘れてるんだよ。
だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。
めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。
まもらなけりゃならないんだ、バラの花との約束をね・・・・

『星の王子さま』 サン=テグジュペリ

バラとの関係

王子さまは自分の星にいる美しい花(バラ)との関係に疲れてしまって星を出たのですが、地球で自分の星にいた美しい花はバラという花で、地球にはバラがたくさんあることを知り、自分の星にあった花が特別な花ではないと残念に思います。

しかし、キツネと友達になることで、とても大切なことに気づきます。

あんたたち、ぼくのバラの花とは、まるっきりちがうよ。
それじゃ、ただ咲いているだけじゃないか。
だあれも、あんたたちとは仲よくしなかったし、
あんたたちのほうでも、だれとも仲よくしなかったんだからね。

ぼくがはじめて出くわした時分のキツネとおんなじさ。
あのキツネは、はじめ、十万ものキツネとおんなじだった。
だけど、いまじゃ、もう、ぼくの友だちになってるんだから、
この世に一ぴきしかいないキツネなんだよ。

あんたたちは美しいけれど、ただ咲いているだけなんだね。
あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。
そりゃ、ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばを通ってゆく人が見たら、
あんたたちとおんなじ花だと思うかもしれない。

だけど、あの一輪の花が、
ぼくには、あんたたちみんなよりも、たいせつなんだ。

『星の王子さま』 サン=テグジュペリ

それまではたくさんいるキツネのうちの一匹という存在でしかなかったキツネが、友達になることで、王子さまにとってかけがえのない、この世にたった一匹しかいないキツネという存在になりました。

同じように、王子さまの星にいたバラも、最初は地球にあったたくさんのバラと同じだと思っていたのですが、王子さまにとっては何にも代えられない大切な花だということに気づかされました。

本当はバラは王子さまのことが大好きだったのです。けれど、バラは強がりな性格から素直に気持ちを伝えられず、王子さまはバラの本心を理解できず、すれ違ってお別れすることになりました。

けれど、離れることで王子さまは気づいたのです。

バラの強がりやわがままは、バラの弱さの裏返しであり、バラは本当は王子さまを必要としていて、大好きだったこと、そして、王子さま自身にとっても、バラはかけがえのない存在だったということ。

「ぼく」との友情

夜になったら、星をながめておくれよ。
ぼくんちは、とてもちっぽけだから、どこにぼくの星があるのか、
きみに見せるわけにはいかないんだ。
だけど、そのほうがいいよ。
きみは、ぼくの星を、星のうちの、どれか一つだと思ってながめるからね。
すると、きみは、どの星も、ながめるのがすきになるよ。
星がみんな、きみの友だちになるわけさ。

ぼくは、あの星のなかの一つに住むんだ。
その一つの星のなかで笑うんだ。
だから、きみが夜、空をながめたら、
星がみんな笑ってるように見えるだろう。
すると、きみだけが笑い上戸の星を見るわけさ。

『星の王子さま』 サン=テグジュペリ

本の中で書かれている「ウワバミとゾウ」のお話や「ヒツジの絵」のお話、そして、この星のお話も全て、一貫して伝えていることは、心の目で物事を見なければ大切なことは見えないということです。

見る人がなにを大切にしているかで、心に映るものが変わります。
また、心になにがあるかで、目に映るものが変わります。

物事を見る視点

この本は一貫して物事は見たままではなく、見る人の視点によって変わるということを伝えているように思います。

そして、大人というものは生きていく中で様々な欲(所有欲・独占欲・支配欲・金銭欲などなど)から、なにが本当に大切なことなのかを見失っていっているということを訴えているようにも思います。

人は「自分」というフィルターを通して世界を見ています。この「自分」というフィルターには、文化・環境・人種・男女・年齢・体験・教育などによって植え付けられた価値観がくっついています。そして、このフィルターは一つとして同じものはなく、人の数と同じだけのフィルターがあります。

ですから、同じ物を見ても、同じ話を聞いていても、フィルターが違うので、見ているもの、聞いていることはみんな違うのです。

例えば、「飛行機で旅行」と耳にして、「飛行機が好き」というフィルターがある人は、楽しい旅行を思い描くかもしれませんが、「飛行機が怖い」というフィルターがある人は、墜落する場面を思い描くかもしれません。

また、手を挙げるという動作一つでも、見る人の視点が違えば、動作も人によって違ってしまいます。ある人からはタクシーを呼び止めるように見えたかもしれないし、ある人からは向こうの通りの人に気づいて欲しくて手を挙げたように見えたかもしれないし、ある人からは前の人の頭を叩こうとしているように見えたかもしれません。

フィルターが違えば、見ている視点が違えば、物事はそれぞれの人によって違って見えるのです。

かけがえのないもの

この本では、バラやキツネやぼくとの関係を通して、「かけがえのない存在」について書かれています。お世話をしたり、面倒をかけたり、心配したり、お話しをしたり、一緒の時間を過ごしたり・・・、そうやって互いの時間を重ねる中で次第に友情や愛情が芽生え、今までは他の人やものと同じだった存在が、この世でたった一つしかない存在に変わっていくんだと、そして、そういう大切なことを人間は忘れていると言っているように思いました。

たいせつなこと

世の中のことの全ては、自分の心の中で起きています。

起きている出来事は一つです。ただ、その出来事をどう捉えているか、どう受けとめているか、どう解釈しているか・・・、それは人の数だけ存在しています。

だから、できることなら、どんな出来事も、自分も周りの人も幸せになるような、心が明るくなるような捉え方、受けとめ方をしていくことが大切なのではないかと思います。できるだけ純粋に物事を見ていけるように、常日頃から自分のフィルターを綺麗にしていくことも大事なのだと思います。

そして、なにが大切なのか、大事なことなのかを見極めていける、子どものような心と視点も忘れてはいけないことなんだと思います。

「大切なことは目に見えない。心の目で見なくちゃね。」

感想

私はこの本が伝えたいことは、上記で言ってきたようなことなのだと解釈しています。

このサイトを作ったのも、嫌なことがあっても、映画で気分転換して、音楽で心を癒して、本で価値観を変えて、これまでとは違った視点で世界を見つめて、また歩き出して欲しいという気持ちからでした。

私がそうやって自分で自分を励ましながら生きてきたからです。

この本も私の凝り固まった価値観を変えてくれた一つです。
視点を変えれば、世界は変わるということを教えてくれました。

改めてこの本を読みながら、この本の繊細さをどう伝えたら良いだろう・・・とか、こんな繊細なものを伝えられるだろうか・・・と思いましたが、繊細な部分はあまり伝えられなかったかと思いますが、感じたままに思うままにお伝えしました。

この本は子ども向けというよりは、大人向けの本だと思います。子どもの時にはわかっていたけれど、大人になって見失ってしまった大切なこと・・・、この本には書かれてあります。

是非、読んでみてください。

電子書籍

『星の王子さま』は 「電子書籍ストアBOOK☆WALKER」「Amazon Kindleunlimited」で読むことができます。

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