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【独り言】「人間の條件」を観ました

【独り言】「人間の條件」を観ました
公 開 1959年〜1961年(6部作)
時 間 9時間31分
出演者 仲代達矢 新珠三千代

きっかけ

私は仕事柄、高齢者の方と接する機会が多く、よく戦争時代の話を聞かされます。

私自身、なぜか小さい頃から戦争の話を聞くのが好きで、

図書館で戦争体験の本を借りては読んだり、

「はだしのゲン」の漫画を集めたり、

「火垂るの墓」「風が吹くとき」「プラトーン」「大地の子」などの戦争関連の映画やドラマを観たり、

テレビがあった頃はよく戦争関連のドキュメンタリー番組を録画して観たりしていました。

ある時、高齢者の方と戦争の話をしていた時、「人間の條件」という映画があるから貸してあげる。と言われ、

以前、テレビで放送されていた番組を録画したものを借りることになりました。

正直言うと、小さい頃からそういう話をたくさん聞いたせいか、

大人になった今は、悲惨な映画を観るよりも心が明るくなるようなものを観たいというのが本音でした。

でも、仲代達矢さんが出ていると聞いて、ちょっと興味が湧き、借りて見てみることにしました。

私が仲代達矢さんを知ったきっかけは、「大地の子」という中国残留孤児の半生を描いたテレビドラマでした。

「大地の子」は山崎豊子さんの小説が原作となっていて、

この時、残留孤児を演じていたのが上川隆也さん、

そして、孤児の父親役を演じていたのが仲代達矢さんでした。

このドラマの最後に上川隆也さん演じる一心(イーシン)が

長江を下りながら発する言葉がなんとも忘れられません。

今思い出すだけで涙が出そうになります。

このドラマについてお伝えすると、ブログが二つも三つも書けてしまうくらい凄い物語で、

ここでは割愛させていただきますが、

とにかく、このドラマで私は仲代達矢さんが好きになりました。

話を戻します。

そして、「人間の條件」を観ました。

「観ました。」と入力するのは簡単ですが、

実はこの映画六部作になっていて、そのどれもが2時間近くあります。

六部作全部合わせると9時間31分もあるので、観るなら覚悟してみなければなりません・・・。

一気に観てしまおうとも思いましたが、戦争映画なので暗い気持になるし、

ずっとそれに時間を費やしていては気も滅入ってくると思い、

時間を置いて一部ごとに観ることにしました。

そして、ようやく観終えました。

感想

これまで日本の兵隊についての話は、高齢者の方や本やテレビなどで色々聞いてきましたが、

まさにこの映画で描かれていた兵隊と同じで、時代がそうさせるのか、状況がそうさせるのか、

自分も同じ立場ならあのような兵隊みたいになってしまうのだろうか・・・なんて考えながら観ていました。

監督の小林正樹さん自身は実際に兵隊に行って軍隊というものを体験したようなので、

仲代さん演じる梶(かじ)という男に、兵隊として、人間としての理想像を投影したのかなぁとも思いました。

でも、結局彼自身も生きる為に窃盗をしたり人を殺すようになり、

これが戦争というものの残酷さであり、悲惨さであるのだと思いました。

ただ、観ていて思ったのが、

日本社会ってこの頃の軍隊と全く性質が変わっていないのではないかとも思いました。

社会の問題なのか、人間の本質的な問題なのか・・・。

ごく稀にそうではない人はいますが、私自身も含めて、人間は愚かな生き物です。

体験しないと分からなくて、失敗しないと気づけない。

自分の気持ちや欲望には敏感なのに、他人の気持ちや思いには鈍感で、

いつだって自分第一。

(何度も言いますが、これは私自身も・・・。)

また、守るべきもの愛すべきものがあると、ある意味人は弱くなります。

理不尽なことでもやらざるを得なかったり、

信条とは反対のことをしなければならなくなったり・・・。

それを逆手にとって、人は人を動かそうとします。

そうでもしないとこの世界は動いていかないからなのでしょうか・・・。

いつの時代も本質が変わらない人間。

だから、何度でも同じことを繰り返すのかもしれません。

人類は、このループからどうやったら抜け出すことができるのでしょう。

最近の研究で、縄文時代は争いも殺人もなかったと聞きます。

そんな時代が1万年以上も続いたと・・・。

現代の歴史教育で、私たちは縄文時代を原始的で遅れた時代と教わり捉えていますが、

実際は私たちが考えているような時代ではなかったようです。

今こそ私たちは、縄文時代から多くを学び、

この争いのループから抜け出す時なのではないでしょうか。

「人間の條件」を観ていて、「人間とは・・・」ということを考えさせられました。

是非、観てくださいとは簡単に言えない映画ですが、

一度は観てみるのも良いと思います。

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