【独り言】家族や自分の老後を考えてしまう「83歳のやさしいスパイ」
この映画は2020年公開で、チリ、アメリカ、ドイツ、オランダ、スペイン合作の映画です。
映画と言ってもドキュメンタリー風で、映画の内容は、高齢者施設に母親を預けているという家族が施設職員の虐待を疑い、探偵事務所に依頼が来たという設定で、探偵事務所は調査のために高齢者の男性を雇い、その男性を施設に入居させて真実を確かめるというものです。
探偵事務所に雇われた高齢者は、83歳の男性で、暗号の言葉を教えられたり、スマホのテレビ電話の使い方を学んだり、超小型カメラのついたメガネやペンを渡されたりして調査準備を始めます。
そして、男性の家族の理解と了承を得て、調査先の高齢者施設に入居します。
感想
私は仕事上、高齢者施設に行くことがあります。施設によって環境や設備などは全然違うので、一概には言えないことですが、でも、この映画の高齢者施設も日本の施設と根本はあまり変わりがないように思いました。
ただ、この映画の施設は広い庭があって自由に散歩ができているところが、私が行っている施設に比べて良いところだと思いました。
入居の理由は人それぞれです。
病気が原因で体が思うように動かなくなり一人暮らしができなくなって入居した人、認知症の症状が出てきてしまって家族の手に負えなくて入居した人、病気も認知症もないのに家族に無理やり入れられてしまった人・・・などなど。
理由は色々あると思いますし、全ての高齢者がそうではないと思いますが、私が今まで見てきた高齢者のほとんどは、この映画と同じように孤独を感じているように思います。
少なくとも、私が関わってきた入居者さんのほとんどは、家族と会うのは通院の時くらいで、それ以外はほとんど会いにくることはないようでした。電話も用事がある時しか来ないようで、特に病気も認知症もなく無理やり入居させられた人は、精神的におかしくなってしまって病院に入院してしまった人もいます。
家族にはその家族にしかわからない事情があるとは思います。若い時は家族にひどいことをしてきて、どうしようもない人だった・・・ということも、もしかしたらあるのかもしれませんが、病気も認知症もない人が施設で孤独にしているのを見ていると、なんだか心苦しくなります。
この映画を観て、改めて歳をとるということや自分の老後について考えさせられました。また、もし自分の家族が施設に入ってしまった時、私は家族を孤独にさせないようにできるだろうか・・・と思いました。
この映画は未来の家族や自分のことを考えさせられる良い映画です。
皆さんも是非、観てみてください。
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