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【落ちこぼれ生徒の可能性を信じた先生の実話映画】奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ

【落ちこぼれ生徒の可能性を信じた先生の実話映画】奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ
公 開 2014年
時 間 105分
出演者 アリアンヌ・アスカリッド アハメッド・ドゥラメ ノエミ・メルラン

あらすじ

パリ郊外にあるレオン・ブルム高校の落ちこぼれクラスの担任となった歴史教師であるアンヌ・ゲゲン。クラスには様々な人種の生徒がおり、宗教の違いで喧嘩が起こることもしばしばだった。アンヌのクラスは他の先生達や校長からもさじを投げられていた。

そんなクラスの生徒達にアンヌはある提案をする。「クラス全員で全国歴史コンクールに参加しない?」と。生徒達は「面倒くさそう」「劣等生の私たちにできるわけがない」「自分達の恥をさらすのか?」と反発する。

しかし、アンヌはこう呼びかける。

「あなたたちを信じているのは私だけ?あなた達ならやり遂げられるはず」と。

みどころ

実話

この映画はなんと言っても実話であることがみどころの一つです。

映画にも出演しているマリック役のアハメッド・ドゥラメさんは、実際に落ちこぼれクラスの生徒の一人だったようで、彼がこの映画の監督に原案をメールで送ったことで映画化されました。

彼の行動力によって、私たちもこの奇跡を知ることができたのですから、凄いことだと思いました。きっとこの行動力は、コンクールに参加したことで得た自信の結果なのかもしれませんね。

戦争体験

コンクールのテーマは「子どもと若者のナチス強制収容所での日々」というもので、映画の中でも実際に強制収容所の生き残りであるレオン・ズィゲルさんの実際の戦争体験が語られています。

レオンさんは映画だけではなく、実際のクラスでも語った本人だったようです。

生徒の一人がレオンさんにこんな質問をします

「強制収容所で諦めなかったのは、どのような心の支えがあったからですか?」

レオンさんは答えます。

「私自身、あそこで死ぬとは全く思っていなかった。必ず生き延びると確信していた。」と。

このやりとりを聞いて、『夜と霧』という本を思い出しました。

この本はレオンさんと同じ強制収容所からの生き残りであるヴィクトール・E・フランクルという心理学者が書いたもので、ヴィクトールさんの強制収容所での体験談が書かれているのですが、その中にこんな話がありました。

ある収容者が夢で収容所から解放される日は1945年3月30日だと言われたと話していたそうです。しかし、3月半ばになっても戦局は変わらず、収容所から解放される見込みがなくなっていきました。すると、その人は3月29日に突然高熱を出し、3月30日に重篤なせん妄状態に陥り意識を失い、3月31日に亡くなったそうです。

実際、彼が苦しみから解放されたのは3月30日であったのことが、偶然とは言え不思議な話でした。

この話を聞いて、心に希望があるかないかで人の人生や生死は大きく分かれていくのではないかと感じたことを思い出しました。

レオンさんも死ぬことは考えもしなかったとのことだったので、やはり、心の在り方というのは人生においてとても大切なんだと思い知らされました。

この本は生きることや人生や運命についてとても考えさせられる本です。

もしよかったら、読んでみて下さい。

話を映画に戻しますが、このレオンさんの証言を機に生徒達は変わっていきます。

ノエミ・メルラン

ずっとアンヌに反発していて、最終的に参加することになる生徒メラニー役をしているノエミ・メルランさんは、このブログで紹介している映画「燃ゆる女の肖像画」にも出演しています。

この映画の彼女の演技もとても素晴らしいので、そちらも是非観て下さい。

感想

このブログでも何度かナチスの強制収容所に関連した戦争映画をご紹介しています。

「ライフ・イズ・ビューティフル」

「縞模様のパジャマの少年」

これらは実話ではありませんが、それでも戦争の悲惨さを知ることのできる一つです。

この映画を観てとても印象的だったのは、レオンさんの腕には収容所で刻まれた収容番号が今でも残っていたことでした。

私はなぜか小さい頃から戦争の話に興味があり、戦争体験者の本を読んだり、テレビ番組を録画して観たりしてきました。

そして、ずっと不思議だったのは、「なぜこのような戦争が起こったのだろう・・・」ということでした。

大人になり、色々な知識を得るうちに、この世の中には戦争を起こしたい人間がいるのだということを知りました。

ナチスは政権を握った後、自分達に都合の良い法律(全権委任法)を成立させ、合法的に独裁的な権力を持ちました。そして、次々に人種差別の法律を作っていき、ホロコーストが起こりました。

今の日本はどうでしょうか?私たちの知らない間にいろんな法律が作られています。その法律は本当に国民の為のものでしょうか?

例え悪法でも法律が制定されてしまえば、国民はそれに従わなければなりません。

政治家にとって都合の良い法律が制定され、いつの間にか国民の自由・財産・人権・生命などが奪われてしまう・・・

そんなことをさせない為にあるのが現代の「日本国憲法」です。

「憲法」は政治家に勝手な法律を作らせないようにするためにあるものであって、決して国民を縛るためのものではありません。

政治家の暴走を止めるため、国家権力を縛るためにあるのが「憲法」なのです。

その憲法をいま政治家が改正しようとしています。

改正案では基本的人権よりも国益や社会秩序が優先されるようになり、徴兵制ができるようになり、拘束や拷問も可能になり、報道の自由も制限され、表現の自由が奪われ、ナチスが成立させた全権委任法のような全権力を内閣が持つことが可能になります・・・(まだまだ国民に不利なものがたくさんあります。)

このように憲法が改正されたならば、憲法は「国家権力を縛るため鎖」ではなくなり「国民を縛るための鎖」となってしまいます。

果たして、これは国民のための憲法改正なのでしょうか?

このような映画を観るたび、今の日本の政治に危機感を覚えます。

私たちができることは政治に関心を持つことです。

政治家がやろうとしていること、やっていることに目を向けることです。

そして、選挙に行くことです。

こんな人にオススメ

・政治に興味がない

・戦争を知らない

・歴史に興味がある

・実話の映画を観たい

「奇跡の教室」を観るには

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