公 開 2006年 時 間 95分 出演者 エイサ・バターフィールド デヴィッド・シューリス ヴェラ・ファーミガ
あらすじ
舞台は第二次世界大戦末期のドイツ。
8歳の少年ブルーノの父親はドイツ上層部の軍人だった。
父親の仕事の都合で、ベルリンから何もない田舎の土地に父・母・姉の4人で引っ越すこととなった。
引っ越し先の家ではドイツ軍が出入りしていた。
家から少し遠くの方には農場のような施設があり、
そこでは縞模様のパジャマを着た子どもや大人がいるのが見える。
遊び相手もおらず退屈な毎日を送っていたブルーノ。
ある日、大人の目を盗んで農場のような施設に行ってみると、
そこには坊主頭で縞模様のパジャマを着た少年が地面に座っていた。
彼の名前はシュムエルといい、ブルーノと同じ8歳だった。
この時からブルーノは毎日シュムエルに会いに行くようになり、
二人の間に友情が芽生えていく・・・。
みどころ
純粋な少年ブルーノ
ブルーノは、強制収容所というものが何なのか、どんな所なのか、なぜシュムエルがそこにいるのかわかっていません。
ですから、ブルーノはシュムエルが大人たちと何か楽しいゲームをしていると勘違いしていました。
周囲の大人たちはユダヤ人を悪い人間だというのですが、ブルーノにはそれが理解できません。
映画の途中で、軍人である父親がシュムエルたちに何かひどいことをしているのではないかと疑うのですが、
ナチス・ドイツが作成した強制収容所についてのプロパガンダ映像を観て、ブルーノは安心します。
なぜなら、映像の中の人たちは皆、作物を育て、娯楽やスポーツを楽しみ、カフェで余暇を過ごすなどして、笑顔で過ごしていたからです。
純粋な子どもの世界には「強制収容所」なんていうものは、概念すら存在していないのに、
大人の世界の現実は、なんとも醜く、情けなく、悲しいものだろう・・・と思いました。
歴史
この映画の内容自体はフィクションですが、映像から学べる歴史がたくさんあります。
ブルーノがベルリンの街中を走るシーンでは、黄色のダビデの星型紋様をつけた人たちが列になって並ばされ、車に乗せられているシーンがありました。
これは、この時代ナチス・ドイツ占領地においてユダヤ人を識別するための標識として身につけさせられていたものです。そして、車や列車に乗せられて強制収容所に連れていかれるのです。
また、ブルーノの父親が他の軍人たちに披露した強制収容所の映像ですが、ナチス・ドイツは実際にあのような映像を作成していました。
映像だけではなく、放送、絵画、映画、歌、オリンピックなど様々なものをプロパガンダに用いました。
以前見たテレビ番組で、オリンピックのプロパガンダに出演したユダヤ人は、撮影後みんな虐殺されたと聞いたことがあります。
そして、強制収容所とガス室。
実際にシャワーを浴びさせるふりをして、毒ガスを撒いてユダヤ人などを虐殺していました。
ラストシーン
「ちょっと待って!」「まさか・・・」「え、本当に?・・・」という気持ちが続いたラストでした。
衝撃が大きくて、涙が出てきました。
「ライフ・イズ・ビューティフル」も泣ける戦争映画なのですが、
それとは全く違う後味です。
感想
久しぶりに衝撃的な映画を観ました。
フィクションだとわかっていますが、それでもかなり心を揺さぶられました。
ユダヤ人迫害を扱った映画は、「ライフ・イズ・ビューティフル」でご紹介しています。
強制収容所についても上記ブログでお伝えしているので、是非、読んでみてください。
ナチス・ドイツ占領下の強制収容所がどのようなものだったのか前知識があると、
よりこの映画を理解できるかと思います。
上層部の親衛隊は一日どれくらいのユダヤ人を殺害するかを書面の数字で指示していました。
そして下々の親衛隊はその書面に記された数字に従い、その数の人間をガス室に送っていました。
当時、人の命はどれほど軽く扱われていたのだろう・・・と思いました。
以前に観た、「人間の條件」という映画でもそうでしたが、
この時代、どの国でも、人の命は悲しいほど軽かったのですね・・・。
こんな人にオススメ
・戦争について知りたい
・泣きたい
・悲しみに浸りたい
この映画を観るには
ビデオオンデマンドではあまり配信していないようなので、
レンタルかディスクの購入をオススメいたします!