【自分は運が悪いと思っている人にオススメな本】『運転者』ー未来を変える過去からの使者ー
あらすじ
生命保険の営業マンをしている岡田修一、自分が獲得した20名もの契約者たちが一年以内に契約解除となり、新たに契約者を見つけなければ来月には減収することが予想されていた。
修一には妻と娘がいる。このままだと妻と一緒に計画していたパリ旅行は中止せざるを得なくなり、その上、娘の進学のために積み立てていた預金も崩さなければならなくなる。
そんな中、不登校の娘や母親の老後の心配も重なり、「なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだよ」と思わず独り言を言う。
その時、目の前にタクシーが近寄って来て、修一は無意識に手をあげてタクシーに乗り込む。
しかし、タクシーに乗ったはいいが、なぜタクシーに乗ったのか理由を思い出せない。
すると運転手は「まずは、娘さんの学校に急いだ方がいいんじゃないですか?」と一言。
修一は「ああ、そうそう。そうだ。頼むよ。」と言ったはいいが、行き先を告げてもないのになぜどこに行きたいのかわかるのだろうと不思議に思う。
しかも、そのタクシーの料金はすでに誰かが支払いをしているとのことで、車が進むにつれてメーターの数字が減っているのだった。
そして運転手はこう言った、
「(私は)運を転ずるのが仕事です。だから私は、岡田さんが連れて行ってほしいところに、車を走らせるわけではありませんよ。岡田さんの人生の転機となる場所に連れて行くだけです。」と・・・。
この本を読んで考えさせられたこと
「運」とは
私はきっと周囲の人から見たら、「運のいい人」とは思われてはいないと思います。
でも、これまでの人生を振り返ってみた時、やはり私の人生って「運」が良いと思うのですよね。
周囲の人と同じような人生を歩めず、昔はそれを辛く悲しく感じていた時期もありましたが、
歳をとると人は図太くなっていくようで、人と違った人生でもあまり気にしなくなっていくし、
いろいろな苦しみを経験していくと、些細なことに喜びを感じたり感謝できるようになっていくので、
今は毎日に感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、それでも時々、嫌なことが重なったり何度も同じことが続いたりすると、
心が鈍感になって、そんな毎日に感謝できなくなっている自分がいることがあります。
この本はそんな自分に改めて「私は運がいい」と思い出させてくれました。
「自分は運が悪い」と思っている人がもしいましたら、是非、この本を読んでみて欲しいと思います。
このブログの記事をここまで読み進めていたり、こういう本に今出会ったということは、
きっと多少なりとも「自分はついてない・・・」って思っている時だと思いますし、
逆を言えば、その運気を変えるためにこの本と出会ったのだと思うので、
今の流れを変えるためにも読んでみることをオススメします!
「運」とは何か?ということについて、いろいろ考えさせられると思います。
ご先祖様
この本を読んで、自分の「運」の良さというものは決して自分の力で得ているものではないと気付かされました。
この本にはご先祖様の思いや苦労や報われない経験が、後の世代に徳となって現れているというようなことが書かれていて、私はこの考えをすんなり受け入れることができました。
先祖代々と続いている命のリレーの一つに私という人間があり、今こうして幸せを感じながら生きていられるのは、もちろん自分の努力もありますが、
自分の努力ではどうにもならないことというものも、これまでいくつもあったので、
それらはご先祖様たちの苦労や努力が、今の私たちの幸せに変換されて引き継がれていたものだと思いました。
そして、この話をすんなり受け入れられた理由の一つに、最近観た動画がありました。
私はYouTubeで時々怪談ものを見ていて、怪談話の中に、亡くなった日本兵が今でも家族を思い、その土地を守っているという話を立て続けに聞いたからでした。
亡くなられた人の思いというものは、その後もずっと残り続けることがあるのだと知りました。
この本を読み、ご先祖様について考えさせられたと同時に、
一体私は後世の為に何ができるのだろう・・・?と考える機会を与えられました。
これについてはまだ答えが出ていないので、考え続けていこうと思います。
感想
私は何かあった時、「人間万事塞翁が馬」という中国の故事を思い出すようにしています。
この話は・・・
昔、ある国境付近に老人とその息子が住んでいましたが、飼っていた馬が逃げてしまい、近所の人々は皆気の毒に思って老人を慰めましたが、老人は「これは幸福なことだ」と言います。
数ヶ月後、逃げた馬が駿馬を連れて帰って来たので、人々は皆、老人を祝福したのですが、老人は「これは禍となるだろう」と言います。
老人の家には良馬が増えて、息子は乗馬を好んでいたのですが、乗馬中に落馬して脚の骨を折ってしまいました。人々はこれを見舞って慰めるのですが、老人は「これは幸福なことだ」といいます。
一年が経って、隣国と戦争になり、体の頑健な若者は皆、戦争に駆り出されたのですが、この老人の息子は落馬によって足が不自由になっていたことが理由で徴兵されることなく、父子共に無事で命拾いをしました。
というような話です。
この故事が伝えたいことは
「福が禍となり、禍が福となる。その変化を見極めることはできず、その奥深さを測ることはできない。」
つまり、人の幸不幸というものは予測することができず、何が福となって、何が災いとなるかは誰にもわからないということです。
更にいうならば、私はこの故事を「今起きている出来事の意味というものは後になってみないとわからない」ということなのだと解釈しています。
後になってみないと物事というものはどう転ずるかわからないものです。
そして、その物事を自分がどう解釈するかによって、またその後の人生が変わっていくものだと私は思っています。
この本には「人間万事塞翁が馬」的なことをもっとわかりやすく書いていたように思いました。
私はあまり小説は読まないのですが、きっと今私の運気は下がり気味だったからなのか、
この小説を強烈に「読みたい」という衝動に駆られ、一気に読んでしまいました。
色々考えさせられた、とても良い作品でした。
絶対に読んでみてください!
こんな人にオススメ
・運が悪い
・何をやってもうまくいかない
・努力は報われない
・どうして自分ばかりこんな目に遭うんだ・・・と思っている
・自分は世界一不幸な人間だ
『運転者』を読むには・・・
電子書籍
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