【すべて実話の映画】ラーゲリより愛を込めて
公 開 2022年
時 間 133分
出演者 二宮和也・北川景子・松坂桃李・中島健人・桐谷健太・安田顕
あらすじ
1945年、ロシア語が堪能な山本は妻と子ども4人で満州国ハルビンで暮らしていた。ある夜、ソ連軍が満州に侵攻し、山本と妻子は日本で再会することを誓い合い離れ離れとなった。
妻と子どもたちはなんとか日本に帰ることができたが、山本はソ連軍の捕虜となり強制収容所(ラーゲリ)へと送られた。
劣悪な環境で過酷な強制労働を強いられ、与えられる食糧もわずかなものだった。
そんな状況の中でも山本は平常心を保ち、絶対に帰国できると周囲の人々を励まし、時には亡くなった仲間のためにソ連軍に楯突くこともあった。
そんな生活を送っていたある日、帰国できることとなり、抑留されていた人たちはみんなシベリア鉄道に乗せられていた。
しかし、列車は途中で止まり、名前を呼び上げた者は列車から降りるよう命じられる。
そして、その中には山本の名前があったのだった・・・。
みどころ
実話
この映画は辺見じゅんさんの著書『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』というノンフィクション作品が原作となっています。
ですから、実話のお話です。
山本幡男という人
この映画の主人公は山本幡男さんという人で、もちろん実在した人物です。
私が凄いと思ったのは、山本さんが周囲の人に与えた影響力です。山本さんに対して、よほどの思いや感謝の気持ちがなければ、映画の後半でみんなが山本さんの為にやったようなことにはならなかったと思うからです。
山本さんは、過酷な状況下でも帰国の希望を持ち続けるために短歌や俳句を詠ったり、俳句や随筆をまとめた文芸誌を制作して密かに回覧したり、字の読めない人には字を教えたりと、日本のことや日本語を忘れないようにする為にも、収容所内で日本文化についての勉強会をしていたようです。
そして、そのような文化活動を通して皆を励まし、希望を与えていました。そのおかげで自殺をとどまった人もいたようです。
周囲の人たちはそんな山本さんから文化だけではなく、どんな状況下でも諦めない気持ちや人間としていかに誠実に生きるのかということ、希望を持ち続けることの大切さなど、多くのことを学んだようです。
こういう話を聞くといつも思います、もしも自分がその立場だったなら同じようなことができるだろうか・・・と。山本さんは本当に素晴らしい人だと思いました。
クロという犬
この映画ではクロという黒い犬が出てきます。
当時も実際に黒い犬が収容所で飼われていたようで、山本さんだけではなくクロも辛く苦しい収容所生活に元気と癒しを与えてくれた存在だったようです。
ただ、このクロ、映画の後半で物凄いことをします。
動物好きの私はこの場面が一番ハラハラしたし、「これも実話なの???」と驚きしかありませんでした。
「現実は小説より奇なり」じゃないですけど、動物って本当に真っ直ぐな心で人間と接しているから、何も考えず、ただただみんなを思う一心であんな行動を取ったんだろうなぁと思える場面でした。
感想
私は内容を知らずにこの映画を観ていました。
観ている途中で、「あれっ?この話知っているかも・・・」と思い、最後の方でやっぱり知ってる話だと確信しました。
記憶は定かではありませんが、きっとアンビリーバボーというテレビ番組でやっていたような気がします。
ただ、クロのことは知りませんでした。
ですから正直、この映画で一番印象に残ったのがクロの行動でした。
もちろん、山本さんを思い仲間たちがとった行動もとても感動したし、泣いたし、とても素晴らしかったのですが、前知識がなかったクロという犬の行動にただただ驚いてしまいました。
山本さんという素晴らしい人物がいたこと、そして、人を思う真っ直ぐな気持ちで驚きの行動をした犬がいたことを、多くの人に知ってもらいたいと思った映画でした。
視聴方法
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